【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。
少しだけでいいから離れて、息をさせて。そう思ったから広い肩に手をついて押し返そうとしたら、逆に手首をつかまれてひやりとしたシーツに縫いとめられる。
覆いかぶさってきた彼に、唇と舌を強く吸われた。
「んん……っ!」
激しいキスから解放してもらえたのはそれからしばらく、経ってからだ。はあ、と息がこぼれる。吐息というよりはもう、喘いでしまっている。
手の甲を口元に押し付けて、息を殺す。苦しかった。なのに体の奥が微かに疼いているのは、どうしてなんだろう。
キスしただけで昂ぶって、息を上ずらせているなんて。体が快感を覚えているのかな。
顎をつかまれ持ち上げられて、半ば力ずくで視線を奪われる。瑠衣の瞳がギラギラと輝いているのを見て軽く息が止まりそうになった。
この人も、私と同じで欲にまみれてるんだ。
私がシーツで胸元を隠していたのを瑠衣が指でつまんで引き降ろそうとしたから、咄嗟に両手を交差して隠した。
魅入られたみたいに見詰め合っていたから、あやうく脱がされるところだったよ……油断も隙も無いね。
そして、シーツの引っ張り合いになってしまって瑠衣に苦笑された。
「おい、そんなに強くつかむなよ」
「シーツは取らないで!は、恥ずかしいから!」
「大学の時も同じことしたのに今更だな。諦めろ」
「そうだけど……!」
「俺も最初はキスだけにしておこうと思ったけど……」
瑠衣が手を離したから、諦めたのかと一瞬ほっとした。
でも、それが罠だったことに数秒後気づく。
シーツの裾から滑り込んだ手が、私の無防備な脇腹をすっと撫でた。
「きゃっ!」
「月乃が可愛すぎるから、抑えが効かないかもしれない」
また私の耳元で囁かれ、体が芯から微かに震える。