【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。
私より全然大きい手には熱がこもっていて、私の腰から胸の横までをゆっくり往復しながら瑠衣が、もう片方の手で着ているシャツのボタンを外して器用に脱いでいる。
見ちゃいけない、と思ってもついつい目の前の胸板に目が吸い寄せられていく。
……瑠衣ってすらっとしていて少し華奢だと思っていたけど、脱いだところを見るとやっぱりきれいで、逞しい。
こんな人に私は今、組み敷かれてしまっているんだか…なんて考えてしまって顔がカッと熱くなる。
均整のとれた筋肉質な素肌が露になって思わず見蕩れたけど、彼は服を脱ぐと私へ顔をぐっと近づけてきたから私の視界には大好きな瑠衣の顔しか映らなくなった。
「どうした?」
瑠衣が笑いを含んだ低い声で、聞いてくる。
何もかもお見通しだ、とでも言いたげな鋭い視線がぶつかり顔を背けた。
見とれていたのがばれちゃった!?と焦った瞬間、瑠衣が今度こそ私が体に巻きつけていたシーツを思い切り剥ぎとってくる。
「あっ!ちょ……っ!」
「月乃だって見ていただろう?」
「うっ」
「俺だってお前を見たい。だめか?」
……瑠衣って優しい人かと思っていたけど違った。正しくは優しくて意地悪な人だ。
そんな意地悪な彼に背中の下へ腕を通されて、すっぽりと抱きしめられた。
肌と肌が直に、触れ合う。触れ合ったあたたかさに、背筋に微かな鳥肌が立って、微かに震える。
彼の熱に、溶かされたんだ。そんなことをふと思いついてしまって、怖くなる。
腕を伸ばして目の前の堅い二の腕に触れる。
もう、押しのけようとは思わない。
どんどんこの人のものになっていくだけなんだから。
「本当にするの……?」
はじめてというわけでもないのにどうにも落ち着かない。