(仮)愛人契約はじめました
「鏡かと思った」
足を止めて、唯由は月子に言った。
おのれの頬に手をやりながら、月子を見つめ、
「なんか私、疲れてんのかな~って思ったのよね」
と呟いて、
お姉様~っ、と呪われる。
いや、別にいつも月子が疲れた顔をしているというわけではない。
今日、元気がないように見えたので、そう思っただけだ。
「どうしたの、月子。
なにかあった?」
といきなり現れた妹に訊く。
「お姉様、道馬さんと同じ会社で働いてらっしゃるのね」
ああ、その話か、と思いながら唯由は、きょろきょろ視線で、座って話せそうな店を探す。
長居はできない。
蓮太郎がうちに来ると言っていたからだ。