(仮)愛人契約はじめました
「家事やらなくていいのは良かったんだけどね。
 まあ、今もやってないけど」

 いや、どうやって暮らしてるんですか……と蓮太郎が思っていると、
「今はほら、コンビニやデパ地下や、家電が家事やってくれるじゃない」
と言って早月は笑う。

「まあ、ホテル住まいという手もあるけど」

 ……まるで自分は金持ちではないかのように言うが。
 やはり、この人も感覚がズレている、と蓮太郎は思っていた。

 自分がズレているのは、人に言われてもよくわからないのだが。

 人がズレているのは、何故だか、よくわかる。

 そう思ったとき、早月が蓮太郎を見つめ、言ってきた。

「唯由を幸せにしてやってね。
 ちょっと変わった子だけど。

 あれでも、唯由なりに一生懸命やってるみたいなの」

 苦笑しながら言うその言葉に、放任すぎるように見える早月の娘への愛を感じ。

 この期待に応えられるだろうかな、と蓮太郎は不安になった。
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