政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
「千波さん、二十歳の誕生日が近いんでしょう?」

「……はい」

 私の答えを聞き、お義母さんは頭を抱えた。

「やっぱり。……私はこの結婚に反対です」

「そうだな、私も申し訳ないが賛成できない」

 お義母さんに続き、ずっと静観していたお義父さんにもこうもはっきりと言われては、なにも返しようがない。

 佑志君は諦めたように深いため息を漏らし、おじいさんも頭を抱え込んだ時。

「前にも言った通り、どんなに反対されたって俺は千波と結婚するから」

 いつの間に来たのか、力強い声で言いながら航君が部屋に入ってきた。そして私の横に立つと、そっと肩を抱かれた。

「ごめん、ひとりにして」

 耳元で囁かれた言葉に、目頭が熱くなる。

「今日はふたりに結婚の許しを得に来たわけじゃなくて、千波を紹介するために来たんだ。結婚するなら千波以外の女性は考えられない」

 ドキッとするようなセリフを放った航君に佑志さんは、「ヒュー」と口笛を鳴らし、おじいさんは「よく言った!」と大喜びした。

「これ以上ここにいたって、千波が嫌な思いをするだけだからもう帰る」

 そう言うと航君は私の手を取って歩を進める。

 いいの? このまま帰っても。でもご両親を納得させることを私には言えない。航君が私との結婚にこだわるのは、庵野家の繁栄のため。決して私が好きで結婚を望んでいるわけではないもの。
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