私は天使に侵されている
「泣かないで?美麗」
来夢が涙を指で拭う。
「うん、ごめんね…ありがとう!来夢。
ピアス…改めて、大切にするね!」

漸く美麗に、いつもの笑顔が戻ったのだった。

そして健悟達の元に戻った二人。
「二人共!せっかくみんなでいんだから、みんなで楽しもうよ!」
健悟が駆け寄って来る。
「ごめんね!健悟くん」
「健悟、別にいいでしょ?
それよりも健悟」
「え?なんだよ?」

「━━━━━━━」
健悟に耳打ちをする来夢。
「あぁ、わかった。聞いてみるよ」
そう言って、草野達の元に向かった健悟。

「なんなの?来夢」
「んー、内緒!」
「えー」
「フフ…美麗、可愛い~!」
目をパチパチさせて見上げる美麗を、嬉しそうに見下ろす来夢。
「……/////」
「可愛いから、チューしちゃおっ!」
そう言って、美麗の額や頬にキスで責めた来夢だった。

その頃の健悟。
草野達を呼び出し、人気のない場所へ移動していた。

“草野達に聞いてみてよ!
さっき、美麗と何があったのか。
自分で聞きたいんだけど、僕もう…美麗から離れたくないから聞けないでしょ?”
と来夢に言われ、呼び出したのだ。

「━━━━で?美麗ちゃんと何を話してたの?
言っとくけど、嘘ついても絶対バレるし、その分制裁が酷くなるから!
正直に教えろよ!」
健悟は草野に言い放った。

草野は健悟の真っ直ぐな視線に、意をけっして言った。
「別れてって言いました。
来夢様の宝物のピアスを当たり前に貰って……
私達は触ることさえ、できないのに……
ピアスの意味も知らなかったくせに、彼女だからっていい気になってるから!
私達は来夢様の為に色々尽くしてきたのに、一目惚れされたからって来夢様のマンションに転がり込んで、しかも!毎日当たり前に送り迎えなんて、あり得ない!!」
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