挑発のライン・アイドル育成計画とは(恋する瞑王シリーズ3)
<冥府の王宮・5>

顔立ちは整っているようには
見えるが、
ふてくされた態度満開なので、
かわいくない。

「お前が神蔵か」
声は少女、いや変性期前の少年
かもしれない・・だった。

「はい、瞑王様」

「はぁーーーー」
瞑王が深く、深く、嫌そうに
ため息をついた。
「お前が音楽と踊りの担当か・・」

「はい、瞑王様」
「私は音楽と踊りは嫌いだ」

「はい、瞑王様」
と答えて、神蔵はムムムとうなった。

この生徒は最初から、拒否って
いるではないか・・・
それにこのふてくされ態度は、
アイドル路線ではないし・・

神蔵は昨夜の天国から、
一気に地獄に落とされた気分に
なった。

「それでも、やらなくてはならないのか・・」
瞑王は長い前髪の隙間から、
うらめしそうに神蔵を見た。
それから
机の上にうつぶせになり動かない。

神蔵は正直困っていた。
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