挑発のライン・アイドル育成計画とは(恋する瞑王シリーズ3)
<冥府の王宮・7>
<瞑王の事情>

神蔵は廊下に出ると、
前を歩くレナに声をかけた。

「瞑王様ってどんな子なんだ?」
「そうねぇ、
一言で言えば真面目。
母親が<現世の人の女>だからかな。
瞑王としての基礎教養、所作、
儀式手順、きちんと勉強して
できるし。

歴代の瞑王は、さぼり魔が
多かったし、遊び人だったから・・
今回はちょっと異例よね」

レナはニコッと笑った。
「芸能界は無理でしょ。
あの子、すっごい人見知りで、
人前に出るのが苦手だから。

それも母親のほうに、似たらしいけど」

神蔵はうなずきながら、考え込んだ。
冥府もいろいろなのだな。

「もし、無理なら、どうなる?」
神蔵の声の調子が落ちた。

俺の責任問題になるのかっ?

レナはそんな事、大したことではないという感じで

「瞑王の位ははく奪されて、
現世に転生させられるのでしょう。
その後はわからないけど。」

俺があの子の人生を、
左右するのか・・・
荷が重い・・・
神蔵は肩を落とした。
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