挑発のライン・アイドル育成計画とは(恋する瞑王シリーズ3)
<マンション・2>

次の日、瞑王が来た。
ラッパー小僧のようなキャップをかぶり、いかにもいやいやで入って来た

前髪を長くしているので、視線はわからない。
「瞑王様、こちらでは何と
お呼びをしたらよいですか」

神蔵が聞いた。
「エリカ」

ぼそっと一声だけ言って、
横を向いた。
名前はかわいいんだけどな・・
神蔵は反抗期小僧を、どう扱うか考えていた。

「現世では
私が指導する立場なので、
エリカとお呼びしてもかまわないですか?」

神蔵はこの一発目で、マウントを取らねばならないと考えていた。

やる気のないこの小僧を、
かわいいアイドルに、仕立て上げるためには必要なことだ。

瞑王の小僧は無言だ。
「それではエリカ、
音楽の経験は?いかがですか?」
「ない、嫌いだ」

「踊りのほうはどうですか?」
「嫌いだ。やったことない」

どうすればいい・・・
このフレーズが、20回以上
神蔵の頭を、グルグルめぐった。
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