挑発のライン・アイドル育成計画とは(恋する瞑王シリーズ3)
<エピローグ・5>

「拒否権なし・・・ですよね」
神蔵は、息も絶え絶えという感じで、やっと答えた。

レナが、口を尖らせた。
「あの鬼の奴がうるさいのよね。
レオンちゃん、命だから」

「わかりました・・」
神蔵は(ひたい)を押さえた。

「今日、瞑王様、来てるわよ。
会議があったから」
レナが少し先の大木を指さした。

チラチラと、隠れているのか、
緋色の衣の端が揺れて見えている

「神蔵様は、瞑王様の直属になるから・・・
挨拶しておいたほうがいいのではないですかぁ」
レナはわざとらしく、強調して言った。

「ありがとうございます」
神蔵は大木のそばまで、走って行った。

「瞑王様・・!」

瞑王は、
豪華な金の刺繍が入った緋色のローブを重そうにまとい、
髪には、繊細な金の髪飾りをつけている。
そして、木の幹に背中をつけて立っていた。
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