挑発のライン・アイドル育成計画とは(恋する瞑王シリーズ3)
<エピローグ・7>

スズランの香りがすっと鼻先に
漂う。
瞑王は神蔵の前にしゃがんだ。

「神蔵がいると・・安心できる」
言い終わると、
神蔵の手の甲に、瞑王は自分の手を重ねた。

神殿の前で、イチャイチャは
さすがにできないよな・・
瞑王を抱きよせようとしたが、
手が止まった。

そっと髪に触れてから、
瞑王の手を取った。
その指を、神蔵は唇にあてた。

その時だった。
レナが、大きな声で呼んでいるのが聞こえた。

「瞑王様ぁ・・帰りますよぉ・・
今日は黒がいいですよぉ」

明らかに、神蔵に聞かせるように言っている。

アチャチャチャ・・・
神蔵の脳内は沸騰寸前だ。



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