猫と笑顔とミルクティー~あの雨の日に~
もちろんアイツと付き合っていた頃はそれなりに楽しかったし、結婚したいとも思った。でも今思えば、付き合っているのに別な人を好きになる様なやつとは別れて正解だった。
(結婚して浮気に走られても困るしね)
その点を踏まえると、素直に別の人を好きになったと言って来た辺りは褒めるべき所か。
(いや……そうでもないか。そもそも彼女がいるのに他の女を好きになるなっつー話で)
……もう止めよう。
思い出すと段々腹が立って来るし、せっかくのミルクティーが不味くなる。
そう思い直しミルクティーを飲みながら三毛さんを見ると、他の常連さんとの会話を微笑みながら聞いている。
あの雨の日、三毛さんは涙の訳を無理に聞こうとはせず、泣き止むまでこうやって優しく微笑んでくれていた。
「アレでやられたのかなぁ……」
「え?」
ボソッと呟いただけなのに、耳ざといのか三毛さんがパッとこちらを振り向いた。
「あ、いえ、なんでもないです!」
慌てて首を振る。
「あ、そうでした」
突然、三毛さんが思い立った様に声を上げて、ポンッと手を叩く。
「どうしたんですか?」
「新作のチーズケーキを作ったんですが、試食をしてみてもらっても良いですか?」
「えっ!いいんですか!?」
パァァァッ!と、一気にテンションが上がる。
(結婚して浮気に走られても困るしね)
その点を踏まえると、素直に別の人を好きになったと言って来た辺りは褒めるべき所か。
(いや……そうでもないか。そもそも彼女がいるのに他の女を好きになるなっつー話で)
……もう止めよう。
思い出すと段々腹が立って来るし、せっかくのミルクティーが不味くなる。
そう思い直しミルクティーを飲みながら三毛さんを見ると、他の常連さんとの会話を微笑みながら聞いている。
あの雨の日、三毛さんは涙の訳を無理に聞こうとはせず、泣き止むまでこうやって優しく微笑んでくれていた。
「アレでやられたのかなぁ……」
「え?」
ボソッと呟いただけなのに、耳ざといのか三毛さんがパッとこちらを振り向いた。
「あ、いえ、なんでもないです!」
慌てて首を振る。
「あ、そうでした」
突然、三毛さんが思い立った様に声を上げて、ポンッと手を叩く。
「どうしたんですか?」
「新作のチーズケーキを作ったんですが、試食をしてみてもらっても良いですか?」
「えっ!いいんですか!?」
パァァァッ!と、一気にテンションが上がる。