愛するあなたへ〜blue roseを私にください
【好きの気持ちが動き出す】
次の週から小道さんは有給消化に入り、小道さんの仕事を主に引き継いだ、アイドル系男子の曽根さんは、とても忙しそうだった。

「日比野さん、助けて!この顧客情報をデータ入力しないといけないんだけど、時間ある?」
「曽根さん、忙しそうですね」
「そうなんだよ、自分の新規先と小道さんの分も重なって、処理しきれてないんだ」
「いいですよ。私の出来ることでしたら、お手伝いさせてください」
「助かるよ!じゃあ、説明するね」

曽根さんは、私の横に来て、パソコンの画面を見ながら、ソフトの使い方と入力方法を教えてくれた。
「ありがとうございます。では、入力出来たら報告しますね」
「ありがとう!宜しくね」
曽根さんは自分の席に戻って行った。

「どうしたの?曽根くんに何か言われた?」
私が入力し始めると、社長が傍に寄って来て、心配してくれたようだった。
「曽根さん、今お忙しいようなので、入力のお手伝いを・・・」
「はぁ?俺から自分でするように言うよ」
「社長、お願いです。私にやらせてください」
社長が曽根さんの所に向かおうとしたのを止めようと、私は声を掛けた。
< 9 / 110 >

この作品をシェア

pagetop