愛するあなたへ〜blue roseを私にください
「翔さん、私、精一杯やりきります。佐野さんや翔さんが費やした時間を無駄にしません」
「そうだね、何も心配することはないよ。俺がいるからね」
翔さんの言葉に安心して、気持ちに余裕ができた。

翔さんと唇を重ねると、余裕が出来た分、さっき言ってた自分の言葉を守れない。
「はーっ、ここまでだね」
「翔さん、さっきの言葉取り消していいですか・・・」
「さっきの言葉?」
「えっと・・・そんな気持ちになれないって・・・」
「あぁ、もちろんだよ」
翔さんはそのまま私を抱きかかえ、ベッドまで運んだ。

「一生懸命な春花は、皆に見せたいけど、妖艶な春花は俺だけの特権だな」
プレゼンの練習でここのところ、力が入りすぎだった身体は、翔さんの愛でゆっくりと解かれて、疲れと安堵感から、愛し合った後、眠りについてしまった。

次の日、緑川さんが翔さんに会いに来ていた。
「日比野さん、今翔さんにお願いして、日比野さんに、うちの社長と会ってもらうことをお願いして来たの。お仕事は大丈夫?」
私は、佐野さんの顔を見ると
「行って来なさい。仕事は大丈夫だから」

私は緑川さんと青羽設計へ入って行った。
「こっちよ」
緑川さんに付いて行って、立ち止まったドアには「社長室」と書いてあった。
翔さんの人生観を変えた人だ・・・
ドアをノックし、緑川さんが入って行く。
「社長、お連れしました。日比野さん、どうぞ」
< 73 / 110 >

この作品をシェア

pagetop