愛するあなたへ〜blue roseを私にください
「実は婚約者にもあんな感じだったりして。婚約して結婚が進まないのはそのせいじゃないのって思うわ」
仕事も女性としても、認めて貰えなかった愚痴と思って我慢してたけど、聞くに耐えなかった。

「小道さん、社長は、翔羽の考え方を知って欲しくて、きつく言ったかもしれないですよ」
「あなた、社長の味方なの?」
「味方とかではないですよ。それに同じ女性として、社長に気に掛けて欲しいと思う気持ちは、凄くわかります」
「だったら何?」
「お客様のことを考えていたら、社長は認めてくれると思うんです」
「コンサルの仕事をしたことがない日比野さんに、何が分かるのよ!」
「仕事の内容は分かりませんが、社長は、冷酷でもなく、意地悪でもなく、きっと小道さんの事を思って、言われたんじゃないでしょうか」
「何もできないくせに、生意気言わないでよ!もういいわ!あんたなんかに話して損した」

小道さんは、布巾を台に叩きつけて、給茶室から出て行った。
きっと佐野さんも小道さんから社長の悪口を聞いたから、あの時、嫌悪感を抱いたんだ。
社長の気持ち、分かって貰いたかったな・・・
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