あの日溺れた海は、
「…で、新学期早々そんな暗い顔してるわけ?」
小学生の時からの幼馴染である亮が椅子の背もたれに頬杖をつきながらそう言った。わたしは静かに頷くとはあ。とため息をついた。
あれから未だに原稿は見つかっていない。あの後一応家の中も探してはみたけどどこの引き出しを開けてもやっぱりなかった。
「今頃、大空を舞ってるんだ、きっと。」
窓の外を見つめながらそう切なく呟くと「まあまあ。」とわたしの肩を叩いて宥めた。
「俺と一緒のクラスになれたからいいじゃん。無くしたならまた書けばいいし…」
「亮と一緒のクラスになったくらいじゃ採算とれないよ!それに書くのだって何十時間もかかるんだよ。もう間に合わないよ…。」
わたしの言葉にわざとらしくショックを受けた顔をする亮に突っ込む気力すら湧かずそのままスルーした。
暫くすると予鈴がなって、始業式の為に体育館へ移動した。体育座りで校長先生の話や、新しく来た先生の紹介、担任と副担任の発表をしていたみたいだけど、失われた原稿用紙が頭を支配していてそれどころではなかった。
小学生の時からの幼馴染である亮が椅子の背もたれに頬杖をつきながらそう言った。わたしは静かに頷くとはあ。とため息をついた。
あれから未だに原稿は見つかっていない。あの後一応家の中も探してはみたけどどこの引き出しを開けてもやっぱりなかった。
「今頃、大空を舞ってるんだ、きっと。」
窓の外を見つめながらそう切なく呟くと「まあまあ。」とわたしの肩を叩いて宥めた。
「俺と一緒のクラスになれたからいいじゃん。無くしたならまた書けばいいし…」
「亮と一緒のクラスになったくらいじゃ採算とれないよ!それに書くのだって何十時間もかかるんだよ。もう間に合わないよ…。」
わたしの言葉にわざとらしくショックを受けた顔をする亮に突っ込む気力すら湧かずそのままスルーした。
暫くすると予鈴がなって、始業式の為に体育館へ移動した。体育座りで校長先生の話や、新しく来た先生の紹介、担任と副担任の発表をしていたみたいだけど、失われた原稿用紙が頭を支配していてそれどころではなかった。