エリート弁護士との艶めく一夜に愛の結晶を宿しました
「できれば稀一くんに似てほしいな」

 ぽつりと呟いた日奈乃が可愛らしく、そっと頭にキスを落とす。すると彼女と目が合った。

「いつもありがとう、日奈乃。愛してるよ」

 頬を撫でて伝えたら、日奈乃も目を細めて微笑む。

「うん、私も」

 朝のルーティンにこうして日奈乃への気持ちを口にするのが加わったのは、ここ一ヵ月の話だ。

 できればずっと続けていきたい。俺がどんなに日奈乃を思っているのか、幸せをもらっているのかを彼女自身にわかってもらうために。

 自分の気持ちを二の次に、お互いを思いやってすれ違ってしまったからこそ、態度と共に言葉も必要なんだと日奈乃のおかげで気づいた。

 そうやってあれこれ思いを馳せていたら、あっという間にタイムリミットだ。名残惜しいが、日奈乃を解放して俺も起きなくてはならない。

 そっと腕の力を緩めると日奈乃が小さく身動ぎし、上半身をゆっくり起こす。それに俺も続き、時計を確認しようとしたら不意に唇が重ねられた。

「ありがとう。今までもこれからも、ずっと稀一くんが大好きだよ」

 幸せそうな日奈乃の表情に、柄にもなく目の奥が熱くなる。

 そうやってずっと俺のそばで笑っていてほしい。生涯をかけて守っていくと決めた。もちろん生まれてくる子どももだ。

 それはあえて口にはせず、態度で示していこうと誓う。その代わり、お返しとばかりに今度は俺から彼女に口づけた。

Fin.
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