エリート弁護士との艶めく一夜に愛の結晶を宿しました
結人とは家が近くなったのと、父の職場に勤めているという繋がりができて、彼がビッグ・チーズ・ワールドワイドに就職してからはよく会うようになっていた。
お互いにあまり気を使う仲でもなければ、男女として意識することもまったくない。稀一くんのことをひそかに相談したりもしていた。血の繋がりもあるからか、本当に兄のような存在だ。
伯母と結人の提案に心が揺れる。父の状態を考えると極力近くにいたいと思う一方で、このまま間宮家にお世話になり続けるのは心苦しかった。
『稀一くん、私明日から従兄のところでお世話になろうと思うの』
早速、病院から稀一くんの車に乗って彼の実家に向かっている途中、おずおずと切り出す。
『なぜ?』
すると前を見たまま彼は端的に聞いてきた。てっきり『そうか』と言って終わると思ったので、私は少しだけ言いよどむ。
『なぜって……。いくら幼い頃から付き合いがあるとはいえ、他人である間宮家にこのままお世話になり続けるのは申し訳なくて。従兄のところでお世話になるのを本人はもちろん伯母さんにも勧められて……』
『余計な気を回す必要はない。父さんも母さんも武志さんを心配しているし、ひなの力になりたいんだ』
稀一くんは?と尋ねそうになる衝動を抑える。今はそこじゃない。
『ひなは、うちよりそっちの方がいいのか?』
『そういうつもりで言ったんじゃない』
上手く伝えられず、必死に言葉を探す。間宮家に不満なんてまったくない。ただ稀一くんへの気持ちが溢れ出しそうになるのが怖いのもあった。
お互いにあまり気を使う仲でもなければ、男女として意識することもまったくない。稀一くんのことをひそかに相談したりもしていた。血の繋がりもあるからか、本当に兄のような存在だ。
伯母と結人の提案に心が揺れる。父の状態を考えると極力近くにいたいと思う一方で、このまま間宮家にお世話になり続けるのは心苦しかった。
『稀一くん、私明日から従兄のところでお世話になろうと思うの』
早速、病院から稀一くんの車に乗って彼の実家に向かっている途中、おずおずと切り出す。
『なぜ?』
すると前を見たまま彼は端的に聞いてきた。てっきり『そうか』と言って終わると思ったので、私は少しだけ言いよどむ。
『なぜって……。いくら幼い頃から付き合いがあるとはいえ、他人である間宮家にこのままお世話になり続けるのは申し訳なくて。従兄のところでお世話になるのを本人はもちろん伯母さんにも勧められて……』
『余計な気を回す必要はない。父さんも母さんも武志さんを心配しているし、ひなの力になりたいんだ』
稀一くんは?と尋ねそうになる衝動を抑える。今はそこじゃない。
『ひなは、うちよりそっちの方がいいのか?』
『そういうつもりで言ったんじゃない』
上手く伝えられず、必死に言葉を探す。間宮家に不満なんてまったくない。ただ稀一くんへの気持ちが溢れ出しそうになるのが怖いのもあった。