従者は惜しみない愛を捧げる―――流浪の落ち延び姫と双頭の獅子
 それから四年の月日が流れた。
 屈強だったルキノが病で亡くなり、他の使用人たちも離れていく中、最後まで残ってくれたのがエンマとリナルドだ。

 しかしガルディニの探索がやむことはなく、アマーリアたちは執拗に追われ続けてきた。
 もし妃のカタリーネに子どもが授からなかった場合、妹を代わりにするつもりだったからだろう。

「でも、お世継は無事に生まれたわ」

 アマーリアは上がり続ける花火を見やり、小さくため息をついた。

 王子の誕生によって、状況は大きく変わったのだ。

 予備の駒だったはずのアマーリアは今、王家の血を引いているがゆえに、現国王にとっては邪魔な存在となった。いずれ誰かと契って出産すれば、その子がかつぎ上げられ、後継者争いが起きるかもしれないのだから。

 相手の出方も、これまでとはまったく変わってくるだろう。
 追跡はいっそう厳しくなるはずだし、もしつかまれば間違いなく殺される。先々の安寧を乱すかもしれない芽を摘むために。

 とうとう覚悟を決める時が来たのだ。
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