従者は惜しみない愛を捧げる―――流浪の落ち延び姫と双頭の獅子
「リナルド、待って……お願いだから」

 さんざん喘がされ、掠れ始めた声で、アマーリアは懸命に訴えた。

「わたくしに……あなたのすべてを見せて……どうか今宵の思い出に」
「かしこまりました」

 リナルドには睦言のように聞こえたかもしれないが、狙いは別にあった。アマーリアは彼の身体に刻まれているかもしれない標を探そうとしていたのだ。

 本当はそんなことをしたくなかった。
 きっと何も見つからない、リナルドに裏の顔などあるはずがない――何度もそう思い込もうとしてきたけれど。

 ほどなく蝋燭の明かりが、軍神のように鍛え上げられた肉体と、その中心で息づく欲望を照らし出した。

「お許しください、アマーリア様。俺は……あなたをお慕いしておりました。従者の身でありながら、もう何年間も」
「うれしいわ、リナルド」

 両脚を割り開かれ、熱杭に穿たれて、アマーリアは泣きながら呟く。
 その言葉に嘘はなかったが、もはや幸福な未来を夢見ることはできなかった。

 耳の奥で、母から聞かされた子守歌が鳴り響いていたのだ。

 ――二つの頭を持つ獅子が、近づかないよう守ってる

 リナルドの下腹部、ちょうど臍の右下あたりに双頭の獅子の刺青が彫られていることを、アマーリアははっきり確認してしまったのだから。
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