従者は惜しみない愛を捧げる―――流浪の落ち延び姫と双頭の獅子
 王の守護騎士――そう呼ばれる彼らは、極秘に選び抜かれた数人の若者たちだという。
 いずれも文武に秀でた高潔な愛国者で、引退してから政府の高官になる者もいるらしい。

 ――カタリーネ、そしてアマーリエ、よく聞きなさい。忠実であるがゆえに、もはや彼らは私ではなく、ガルディニに従うだろう。やつがお前たちに狙いを定めれば、たとえ国軍から逃れることができても、王の守護騎士がいつか必ず見つけ出すはずだ。だから注意を怠ってはならない。その身に双頭の獅子の刺青がある者に。

 刺青は絶対忠誠の標で、彼らの存在を知るのは国王夫妻と宰相だけだと、父王は言っていた。

 誰より頼りになる代わりに、一度敵となれば最も危険な者たち――だからこそ母は子守歌に託して、アマーリアに注意を促したのだろう。

(リナルドは……王の守護騎士)

 アマーリアは静かに寝台を下りると、背を向けて、部屋の隅にある小机に歩み寄った。

 音をたてないように蓋を開け、中から細身の短剣を取り出す。
 護身用に父が渡してくれたもので、柄には小さなサファイアが散りばめられていた。
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