従者は惜しみない愛を捧げる―――流浪の落ち延び姫と双頭の獅子
なぜリナルドは四年もの間、アマーリアを捕らえず、忠実な従者として仕え続けたのか?
おそらくそれこそがガルディニの命令だったからだろう。
(ずっとそばで見張っていたのだわ)
姉のカタリーネに世継が生まれなかった場合、ただちにアマーリアを差し出せるように。
どこに逃げようと、決して見失わないように。
けれども用済みとなった今、リナルドは自分を王宮へ連れていくだろう。あるいはここで命を奪われるかも――。
アマ―リアが握り締めた短剣に視線を落とした時だ。
ふいに背後から「おやめなさい」と声をかけられた。
「リナルド?」
何の物音もしなかった。目を離したのも、ほんの数分だろう。
それなのに振り返ると、すぐ後ろにリナルドが立っていたのだ。上半身は裸のままだが、いつの間にか下衣も身に着けていた。
「目を覚ましたのね。気がつかなかったわ」
「俺に、薬は効きません。慣らしてあるのです」
アマ―リアが短剣を手にしているのを見ても、リナルドが慌てる様子はない。
むしろ彼の視線は気遣うように優しかった。
「こ、これは……荷物に入れ忘れてしまって」
「どうか無謀なことはおやめください。あなたに俺を殺すことはできない」
柔らかい声で単刀直入に諭され、アマーリアは凍りついた。
おそらくそれこそがガルディニの命令だったからだろう。
(ずっとそばで見張っていたのだわ)
姉のカタリーネに世継が生まれなかった場合、ただちにアマーリアを差し出せるように。
どこに逃げようと、決して見失わないように。
けれども用済みとなった今、リナルドは自分を王宮へ連れていくだろう。あるいはここで命を奪われるかも――。
アマ―リアが握り締めた短剣に視線を落とした時だ。
ふいに背後から「おやめなさい」と声をかけられた。
「リナルド?」
何の物音もしなかった。目を離したのも、ほんの数分だろう。
それなのに振り返ると、すぐ後ろにリナルドが立っていたのだ。上半身は裸のままだが、いつの間にか下衣も身に着けていた。
「目を覚ましたのね。気がつかなかったわ」
「俺に、薬は効きません。慣らしてあるのです」
アマ―リアが短剣を手にしているのを見ても、リナルドが慌てる様子はない。
むしろ彼の視線は気遣うように優しかった。
「こ、これは……荷物に入れ忘れてしまって」
「どうか無謀なことはおやめください。あなたに俺を殺すことはできない」
柔らかい声で単刀直入に諭され、アマーリアは凍りついた。