従者は惜しみない愛を捧げる―――流浪の落ち延び姫と双頭の獅子
 王の守護騎士でないよう心から願っていたし、リナルドだからこそ抱かれたかった――けれど、そう訴えたところで何になるだろう?

 彼にとって主命は絶対だ。もし背けば、どんな罰がくだるかわからない。

「リナルド、これから城に行くのでしょう? そしてわたくしはガルディニの前に召し出されて、命を奪われる。長くてつらい旅とはこのことだったのですね?」
「アマーリア様」
「あなたを殺すつもりなどありません。わたくしは……」

 アマーリアはとっさに短剣で喉を突こうとした。

 父を追い落とし、姉を奪い取った男が待つ王宮に、それも誰より愛する人の手で連れ戻されるのは耐えられない。
 こうなった以上、もう死を選ぶしかなかった。

「アマーリア様、ご容赦!」

 瞬間、みぞおちに衝撃が走った。

 身体が大きく傾き、自分に何が起きかわからぬまま、アマーリアは闇の中へと落ちていった。
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