従者は惜しみない愛を捧げる―――流浪の落ち延び姫と双頭の獅子
 少年はリナルドと名乗り、自分の素性を淡々と説明した。
 北の国境を警備していて内乱に巻き込まれ、王の側について戦ったため、自身をこんな目に遭わせた現国王のガルディニを恨んでいることも。

 リナルドはアマーリアの前に跪き、深く頭を垂れた。

「王女様のお姿は、昨年湯治にいらした折に遠くから拝見いたしました。先日この町で再びお見かけし、いてもたってもおられず参上した次第。ご事情は察しております。このような姿ではございますが、真のレマルフィ王家のため、どうかお供の末席にお加えください」
「まあ、そうだったの。どうもありがとう」

 言われてみれば、確かにアマーリアは北の国境近くにある湯治場を訪れていた。
 それで彼への警戒心が薄れたし、ひどい傷を負いながら、自分に仕えるために駆けつけてくれたことがうれしかった。

 何よりリナルドとは年齢が近かった。

 アマーリアはまだあどけなさの残る顔立ちや、若々しい所作に親しみを覚えた。なにしろそれまでそばにいてくれたのは、護衛のルキノや侍女のエンマをはじめ、ずっと年上の者ばかりだったのだ。
< 8 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop