天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「でも、ちょっと罪悪感が。みんな仕事してるのにこんなにのんびりしてていいんでしょうか?」
今日はなにも仕事していない。
「いいの。いいの。休めるうちに休んでおかないと」
のんびりした様子の先生を見据え、少し呆れながら尋ねた。
「先生は患者さんのこと心配じゃないんですか?」
「久我先生たちを信じてるからね。でなきゃ、学会なんて出席しないよ。うちは誰が抜けても問題ないようにしてる」
確かにうちの脳神経外科は世界のトップのスタッフが集まっている。
先生は世界的な名医なのに奢らず、他の先生がたもリスペクトしている。
「氷室先生ってすごいですね」
思ったことをそのまま言葉にする私を先生は優しい目で見つめた。
「茉莉花ちゃんもすごいよ。茉莉花ちゃんがうちの病棟に来てくれてから、リハビリに励む患者さんが増えた。俺たちはチームだ。医者が偉いとかそういうのはナシだよ。みんなの力で患者さんを助けるんだ」
先生の話を聞いて胸に熱いものが込み上げてきた。
私も役に立っているんだ。
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