天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
香織さんも小鳥遊先生の家に泊まりにくるようになった。
「おはようございます」
笑顔で挨拶を返してふたりと一緒に病院へ。
ナースステーションの前で香織さんと別れ、小鳥遊先生と医局に行く。
「おはようございます」
そう小声で挨拶しながら中に入るが、樹の姿はない。
「仮眠取ってるんじゃないか?」
小鳥遊先生が自分の席に座りながら奥の仮眠室を指差す。
「そうですね」
小声で返事をして仮眠室のドアを開けると、ベッドで樹が寝ていた。
中に入ってドアを閉め、先生の肩を揺すって起こす。
「氷室先生、そろそろ起きてください」
「ん?……やだ、もっと寝たい」
樹が私の腕を掴んでベッドに引き摺り込む。
「ちょっ……先生、寝ぼけてます?」
あたふたしながら確認したら、先生が目をパチッと開けてニヤリとした。
「寝ぼけてるのは茉莉花ちゃんだよ。また『先生』って呼んだ。お仕置きだな」
彼が私の首筋に舌を這わせて舐め上げる。
「だって……小鳥遊先生が隣の部屋に……あんっ!」
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