御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
妊娠していたらそれは責任を取っていただくしかないがまだ確定したわけではない。

「あの、まだ分からないので様子を見ましょう。1ヶ月、いや2ヶ月くらいあれば分かると思いますので」

「分かりました。では2ヶ月後に入籍という事でその間に両親への挨拶を、あ、ご両親は他界されておりましたね。ご親戚はいらっしゃらないという事でしたので私の親族だけで大丈夫ですね。それであればすぐに話しはつくでしょう」

……入籍? 挨拶?

いやいや、何の様子を見るって思っているんだ? 
彼の頭の中が全く見えない。あんなにしっかりしていた彼があり得ないほどに動揺している。

「あの、申し訳ないのですが、このような事がきっかけでという話になると祖父や両親が何を言い出すか分かりません。ここは一目惚れという体でお願いできますでしょうか?」

彼の早すぎる思考について行けない。

「あの、少し落ち着いていただけますか?」

「ああ、重ね重ね申し訳ございません。ただ、このような事は早期に対応しなくてはなりませんのでこれから調整を致します。ではお先に失礼いたします」

彼は深々とお辞儀、いや土下座をして部屋に散らばった衣服を回収して寝室を出た。

私はシーツをまとったまま彼を追いかけ、寝室のドアに身体を隠すようにしながら顔だけ出して彼に声をかけた。
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