御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
玲音は朝も昼も夜もずっと完璧だ。黒のシルクの寝間着もファッションショーのモデルのように着こなしている。

挨拶を交わし、コーヒーメーカーに水を入れてスイッチを押し、スライスしたパンをトースターにセットして温める。

冷蔵庫から卵、刻んだ玉ねぎ、ハム、チーズを取り、オリーブオイルを引いたフライパンで玉ねぎとハムを炒める。

卵をボールに割り入れて溶かし、程よい所で一気にフライパンの中に流し入れ、小刻みに揺らし火を通す。

チーズを均等に加えてからオムレツの形を作っていく。

我ながらいい出来だ。

お皿に乗せてできた物からダイニングテーブルに運ぶ。

玲音はタブレットでニュースを読んでいる。会話は無いが私はこの時間が一番好きだ。

一緒にご飯を食べる人がそこにいる幸せ。

そして「ありがとうございます」と玲音は私が朝食を全て並べ終えて席に着くと必ず言ってくれる。

私は玲音が半分ほど食べ終わったときに「今日はどうですか?」と確認する。

玲音から美味しいの言葉は待っていても出てこない。

「ドレッシングを変えましたね。でも昨日の方が私は好きです」

「了解です」

サラダのドレッシングは市販品を買ってみたが好みじゃなかったようだ。
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