御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
「紹介するよ。こちらが美音さん。美音さん、祖父と父です」

「はじめまして神岡美音です。不束者ですがどうぞよろしくお願いいたします」

「まぁ、座りたまえ。話は全て妻から聞いている。私には異論はない」

「おぉ、本当に美紀ちゃんに似ておる。勇さんのお孫さんにこの年で会えるとは、これも縁だな。本当に勇さんには感謝してもしきれんよ」

喜一郎さんは身を乗り出すように私に話をしてきた。
ちなみに年齢は81歳だと玲音から聞いているが、精力みなぎる元気なおじいさんと言った感じだ。

暫く私の知らない祖父の話や母の子供の頃の話を聞き、場が和んだところで私達の結婚の話になった。

「玲音も結婚して一家の大黒柱だ。これで私も安心して引退できる。君たちの婚約お披露目会で引退宣言をすることにした。これからは正人が社長、玲音が副社長だ。いいな」

「ちょっと待ってください。いきなり副社長は……」

珍しく玲音が慌てふためいている。

「玲音、落ち着きなさい」

そう言って喜一郎さんは説明を始めた。

これまで弘美さんの妹たちの旦那さんたちが社長、副社長の座を狙い争い続けていた。

養子入りしているのだからそのつもりだったのだろう。
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