S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
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朋久と菜乃花の結婚というセンセーショナルな話は、三日後の水曜日のお昼には京極総合法律事務所内を駆け抜けた。
朋久とは、所内のみんなには入籍を済ませてから報告しようと決めていたため、いったいどこから漏れたのだろうと不思議だったが、その答えはすぐに見つかった。
CEOの浩平から内線電話で呼び出された菜乃花が彼の部屋に駆けつけると、そこには先客として朋久がいた。
ソファに座るように勧められ、朋久の隣に腰を下ろすや否や――。
「私が悪かった。このとおり謝るよ」
浩平から唐突に謝罪され、朋久と揃ってポカンとする。
「いったいなんの話?」
朋久の問いに菜乃花も同調する。
「いやぁ、じつはうれしくてついお前たちの結婚話をぽろっと出したら、それがまたたく間に広まってしまったんだよ」