S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
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午後四時過ぎ、婚姻届を出すために菜乃花は朋久の運転する車に乗っていた。
数十分後、菜乃花は朋久の妻になる。
そう考えると落ち着かず、わけもなくバッグの中身をたしかめたりスマートフォンを取りだしてみたりソワソワして敵わない。
「少し落ち着いたらどうだ」
菜乃花の挙動不審ぶりに気づいた朋久が笑う。
「いよいよ結婚するんだと思ったらじっとしていられないの」
いつもと変わらない冷静な朋久とは対照的だ。彼にとって結婚はそれほど重くないのかもしれない。
それこそ訴状を提出するのと同じで、どこか他人事感覚で婚姻届を出すのだろう。もちろん訴状だって軽々しいものではないが。
名字が変わる菜乃花と違い、朋久自身になんの変化もないせいもあるだろう。気持ちが伴っていないから余計だ。
「朋くんは全然へっちゃらだもんね」