S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う

つい嫌味っぽくなる。


「そんなことない。俺だって多少は緊張してるよ」
「多少?」
「いっぱい」
「もう、どっち」


ツッコミを入れたら朋久はふっと笑みを零した。

その後、届出は役所に無事受理され、菜乃花は正真正銘、朋久の妻になった。偽装だけで済ませる予定が、本物の夫婦に。
心は伴っていないが、夢のようなポジションに心が浮足立つ。

この結婚が終わるのは、朋久に愛する女性ができたとき。それまでは見せかけだけでも彼の妻でいられるのだから、精いっぱい楽しもうと密かに誓った。
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