S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
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マンションのエントランス前に車が到着する。
「入籍した日だっていうのにひとりにして悪いな」
朋久はこの後、妻の欄に菜乃花の名前が記された戸籍謄本を藤谷に確認してもらう仕事が残っている。そしてその後はまた仕事に戻らなくてはならない。
「結婚しても私たちはなにも変わらないんだもん。朋くんは気にしないで」
それは強がりで、本音では少々寂しいのは内緒だ。
「……なにも変わらない、か」
「ん? なにか言った?」
シートベルトを外す動作に気が逸れていたため、朋久がボソッと呟いた言葉ははっきり聞き取れず尋ね返す。
「いや、なんでもない」
小さく鼻を鳴らし、菜乃花の頬を軽くくすぐった。
そんなことをされるとは予想もせず、つい体をドアのほうに寄せて逃げ腰になる。