S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う

そのフォルムはまさしくそうだろう。お墓参りの帰りに寄ったミレーヌのロゴが書かれているから、そうに違いない。
うれしくて弾むように彼の元へ急ぐ。


「ありがとう、朋くん」


ところが菜乃花が伸ばした手は空を切って、箱を掴み損ねた。


「玄関で出迎えてもらえなかったから、やっぱりあげるのはよそうか」


意地悪な顔をして箱を高く持ち上げる。


「そんなぁ! だけど、新婚みたいにしたら朋くんは嫌じゃないの?」


ぴょんと跳ねたが、手が届かない。


「菜乃がそうしたいなら付き合ってやってもいい」
「なんで上から目線?」
「じゃあこれはいらないな。俺が全部食べる」
「ひどーい。本当は朋くんが新婚っぽくしたいんでしょう」


そもそも朋久は甘いものが苦手ではないか。
< 132 / 300 >

この作品をシェア

pagetop