S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
最後はごにょごにょと口ごもった。
朋久がふわりと笑った気配がして身の置きどころがない。
「それじゃまずはあれ!」
菜乃花は真っすぐ前を指差した。アトラクションエリアでひと際目立つ乗り物――急上昇急降下を繰り返す海賊船型の大型ブランコだ。
列に並び、係員に案内されて乗り込む。
「ここはやっぱり最後尾だよな」
朋久に手を引かれ、一番スリルを味わえるポジションに座った。
「はぁ緊張する」
「菜乃花が乗りたいって言ったんだぞ」
「久々なんだもん」
こういった乗り物は苦手ではないが、久しぶりのため不安だ。
「私は平気だけど朋くん、絶叫系マシンは平気なの?」
「まぁたいていのものはね」