S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
もっとも、その措置をとるためには、漏洩された情報が同法の〝営業秘密〟として認められる必要はあるが。
「その通り。そのあたりを先方と協議してもらいたい」
「承知いたしました」
浩平がテーブルに置いた相手方の名刺を手に取った。
「なっちゃんにもよろしく。本音を言えば、お前と一緒にここに呼んでしまいたいくらいだ」
「公私の区別はつけてください、CEO」
釘を刺すように言って立ち上がる。
浩平が菜乃花にデレデレなのは昔からだ。
朋久には姉もいるが、菜乃花とは正反対のタイプで父親の浩平でもタジタジなときがあるため余計だろう。
「まぁそう言うな。そうだ、今夜四人で食事でもどうだ」
「悪いけどちょっと都合が悪いから、また後日で」
今夜は大事な予定が控えている。
「なんだ、そうか。息子というのはつれないものだな。今度なっちゃんに直接声を掛けるとしよう。じゃ、よろしく頼んだぞ」
浩平はひらりと手を振って朋久を見送った。