S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
会話を途切れさせたくないがために話題を繋げていたが、朋久がそれを止めるような感じで菜乃を呼んだ。
「このまま食事に行こう」
「……食事?」
「ホワイトデーだし」
「お返しなら、この前クッキーもらったよ」
ほかの人たちと同じなのはちょっと不満だが。
「あれは菜乃のおやつでホワイトデーのお返しじゃない。みんなと同じものを妻に返すわけがないだろ」
「そ、そっか。……ありがとう」
一応は差をつけてくれるのだとうれしくなる。
「それじゃ、豪華なディナーをご馳走してもらおうかな」
サクサクコーヒーメレンゲのクッキーのお返しにしては高くつくが、エリート弁護士なら許してくれるだろう。
「そのつもりだよ」
「え? そうなの?」