S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
バッグの中をたしかめるが、魔法でも使えない限りお泊りセットが出てくるはずもない。すっぴんは朋久にさんざん晒しているからいいとして、下着や洋服は今着ているものだけだ。
そわそわして立ち上がったタイミングで彼が戻った。
「菜乃、行こう」
「ちょっと待って、朋くん。私、着替えとかなにもなくて」
「そりゃそうだろう、突然だから。でも心配するな、全部用意してもらうから」
あっさりと解決策を提示される。
「そんなことできるの?」
「大丈夫だ。ほら、行こう」
朋久に腰を抱かれて、もう一度エレベーターに乗り込む。上昇するにつれ、菜乃花の心拍数も上がっていく。
ひとつ屋根の下どころではない。同じ部屋、それも同じベッドで朝まで過ごすのだ。心臓がいくつあっても足りないかもしれない。
そんなことを考えながら目的のフロアに到着し、部屋まで誘われる。朋久が開いたドアから中へ入った瞬間、彼に抱き上げられた。
「ちょっ、朋くん!?」