S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
いきなりのお姫様抱っこにどう対処したらいいのかわからず体を硬直させる。次から次へと予想外の事態に見舞われ、ひとつずつ処理していくのにも苦労する。
「私、重いから下ろしてっ」
「このくらい重くもなんともない」
「だっていつも言ってたじゃない、スイーツ食べたら太るぞって。さっきもムース食べたし」
「菜乃をからかってただけ。かわいいからついいじめたくなるんだ」
〝かわいい〟のひと言で口応えする意思が途端に消えてなくなる。言われ慣れていない彼からの〝かわいい〟は、威力が半端ではない。
ところがそのままベッドに下ろされ、べつの心配が菜乃花を襲う。
「朋くん、待って。シャワー浴びてない」
「そんなの後でいい」
シュルッと音を立てて、朋久がネクタイを引き抜く。菜乃花をベッドに組み伏せた。
「でもっ、汗かいたし、夕べお風呂に入ったきりだし、私――」