S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う

きっとそうだと言いきるが、そんなわけがないと自分でもわかっている。彼に触れられるだけで、見つめられるだけで体温はいくらでも上がってしまう。


「へぇ、そうなんだ? こんなになってるのに?」


もっとも秘めた部分に触れられた瞬間、体じゅうが痺れたように震えた。


「っ……、朋くんの……意地悪っ」
「俺が意地悪するのは菜乃にだけと言っただろう?」


特別な地位を与えられた喜びが体の反応として素直に現れる。体の中心からあたたかいものが溢れる感覚がした。

大切なものを扱うような愛撫に心まで溶かされ、甘く解けていく菜乃花の体。それはこれまで経験したことがない熱に侵され、このままとろけてなくなってしまうのではないかという錯覚すら生む。

いよいよ朋久と繋がった瞬間には、痛みよりも幸せのほうが大きく、あまりのうれしさに涙が一筋こめかみを伝っていった。

乱され、揺らされながら、何度となく「菜乃」と名前を呼ばれ「好き」だと囁かれ、心と一緒に全身が波打つ至福の時間。菜乃も吐息交じりに必死に返した。

ずっと憧れ続けた、大好きだった朋久とひとつになれた悦びは、きっと永遠に忘れない。


「菜乃っ、絶対に離さないから……っ」


苦しげに囁いた朋久とともに果て、汗ばんだ体のふたりは乱れたシーツに沈んだ。
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