S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
「おじさま、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。ところで菜乃花ちゃん、今度充と三人で食事でもどうだい? しばらくそういうこともなかっただろう。充も菜乃花ちゃんと話したがってるんだよ」
「ごめんなさい、おじさま。今はそれよりも……」
廉太郎に渡した封筒に目線を落とす。
はっきりさせなければ、誰かと食事だとかいう気分にはとうていなれない。
「そうか、そうだな。悪かった。では早急に鑑定してもらえるよう私からお願いしておくから。菜乃花ちゃんはなんの心配もしなくていい」
「お忙しいのにすみません。よろしくお願いします」
両手を膝の上で揃えて頭を深く下げた。