S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
朋久が真剣に訴える目から視線を逸らす。
「この鑑定書は偽物だ」
「そんなはずは……。だって、おじさまが」
そういった機関にきちんと出したはず。開封だって、菜乃花自身がしたのだから。
「おじさまって若槻廉太郎なんだろう? なんの目的があるのか知らないが、俺と菜乃に血の繋がりなんかありっこない」
「でも、そこには99.99%の確率でって」
ほぼ100%兄妹だと言っている。
「公的なDNA鑑定は、通常被験者全員が一同に会してされるものだ。それなのに俺は立ち会ってない。菜乃は俺のサンプルを若槻に渡しただけなんじゃないか?」
まさにその通り。廉太郎に言われるまま、自分と朋久の毛髪を手渡しただけだ。
「それだけじゃない。利害関係のない第三者の立会も必要とされるはずだ」
「自分と朋くんの髪の毛をおじさまに……」
「渡しただけなんだろう?」