S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う

「こ、これも私文書偽造罪だと……言うのかね」


朋久は静かに首を横に振った。


「邸宅侵入罪です」
「侵入罪!? なぜだ! 私は彼女の家の鍵を預かっているんだ。不法に侵入したわけではないっ」
「つまり、お認めになるわけですね」


朋久は静かに、だけどたしかに口角をニッと上げて微笑する。
声を荒げた廉太郎はハッとして口を噤んだ。


「父さん、いったいなんなんだよこれは」


成り行きを呆然と静観していた充は、苦い表情を浮かべた。


「侵入とはその場所に持ち主の意思に反して立ち入る行為を言います。たとえ菜乃の同意を得て立ち入ったとしても、本当の目的――今回であればこの写真をどこかに忍ばせる行為を知っていたら承諾しなかったであろうという場合は侵入にあたります。こちらは三年以下の懲役または十万円以下の罰金に処されます」
「な、な……」
「それから念のための確認ですが、菜乃花に一連の話をしたのはコーヒーショップでお間違いありませんか?」
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