S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う

「充くん、私こそごめんね。せっかく再会したのにきちんと話もできなくて」


菜乃花がもう少し誠意を持って接していたら、朋久への想いをしっかり充に伝えていたら、こんな事態にはならなかったかもしれない。


「いや、悪いのは全面的にこっちだから。菜乃花は謝らなくていい。……京極さんと幸せになれよ」
「うん……」


力が抜けたように穏やかな表情になった充に頷いて返す。


「京極さん、菜乃花をどうぞよろしくお願いします」
「キミに言われる筋合いはない」
「ちょっ、朋くん!」


せっかく祝福してくれている充に向かってつれない返答をした朋久を慌てて制するが……。


「言われなくとも菜乃は俺が幸せにする」


菜乃花のブレーキはまったく効果なしだ。
充は「それもそうだな」と微かに笑みを浮かべた。
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