あお
上?
見上げて見ると、ビルの3階から男の人が手を振っていた。
…と思ったら、ふっと姿が消えた。

「あ?あれれ!?」

「よっ!また会ったね」

今度は後ろから声が聞こえ、振り向くと、今朝学食で会った男の人がいた。

「今3階にいなかったっけ?」

「おう、いたよ。走って下りてきたんだ」

「はやっ…幽霊見ちゃったかと思った…」

「ひでぇな。あんたのため息だって、ビルが吹っ飛ぶかと思ったよ」

「そんなに…大きくしたつもりは…」

「冗談だよ。まじめに受け止めんなよ。…あれ、その顔は泣いたのか?」

「ちょっと泣ける映画を観ただけよ…!」

「ふぅん。…それ何?もしかして絵描きさん?」

「違うよ!…もう、ほっといて!」

私は思わず怒鳴ってしまい、走って逃げた。
無我夢中で…気がつくと、知らない道に来ていた。

「どうしよう……」

私は地べたにしゃがみこんだ。走りすぎて足も痛い…。
私の人生どこまでも情けない…。

それにしてもここはどこなんだろう…?
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