あお
停滞
もうアパートにも帰れず、依子ちゃんとも会えず、このまま彷徨い続けるのか……
そんなのいやだ…!
「ハァ、ハァ…やっと追いついた。あんただって人のこと言えないくらい速いじゃねぇか」
さっきの男の人が追いかけてきて、笑ってそう言った。
その姿を見て、また涙があふれてきた。
「ほっ…といてって…言ったじゃん……っ」
「ほっとけないよ。あんた、何か追い詰められてる顔してたし…」
人に泣き顔なんか見られたくないし、私は彼に背を向けたまま、必死であふれる涙を抑えていた。
「あー、走ったらのど渇いた。あそこでなんか飲もう」
彼は私の手を取り、近くにあった喫茶店に連れてってくれた。
まっ先に化粧室へ行き、泣きはらした酷い顔を洗い流した。
気を入れ直し、彼の所へ行くと、彼は私のスケッチブックを開いて見ていた。
「あ、クリームソーダでよかった?」
「うん…」
「ごめん、勝手に見ちゃった。…これ何も描いてないな」
「……………」
「…つらいことは、吐いちまったほうがラクになるぜ」
そんなのいやだ…!
「ハァ、ハァ…やっと追いついた。あんただって人のこと言えないくらい速いじゃねぇか」
さっきの男の人が追いかけてきて、笑ってそう言った。
その姿を見て、また涙があふれてきた。
「ほっ…といてって…言ったじゃん……っ」
「ほっとけないよ。あんた、何か追い詰められてる顔してたし…」
人に泣き顔なんか見られたくないし、私は彼に背を向けたまま、必死であふれる涙を抑えていた。
「あー、走ったらのど渇いた。あそこでなんか飲もう」
彼は私の手を取り、近くにあった喫茶店に連れてってくれた。
まっ先に化粧室へ行き、泣きはらした酷い顔を洗い流した。
気を入れ直し、彼の所へ行くと、彼は私のスケッチブックを開いて見ていた。
「あ、クリームソーダでよかった?」
「うん…」
「ごめん、勝手に見ちゃった。…これ何も描いてないな」
「……………」
「…つらいことは、吐いちまったほうがラクになるぜ」