みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 大洋は一度わたしの顔をじっと見て、それから机の上に目線を落とした。

 そのまま、しばらく考えていた。
 ふっと顔を上げて、口を開きかけ、また閉じる。

 どう話せばいいか、まだ考えがまとまらないらしい。
 普段の大洋とは別人のようだ
 思わず人の気持ちを明るくするようなオーラが、今はまったくない。

 まるで暗闇におびえる幼い子ども。
 まったく知らない大洋が目の前にいた。

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