みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 その夜、わたしは大洋のベッドのなかにいた。

 一秒も離れたくなかった。

 でも、あえて服を着たままでいた。

 妹さんが亡くなったばかりのとき、そのご位牌のまえで抱き合うのはいやだった。

 そう告げると、「そういう人だから好きになったんだ」と大洋は微笑んだ。
 
 ベッドは狭く、一緒に寝ているだけでもずいぶん蒸し暑かった。

 けれど、その熱さが大洋の心を蝋のように溶かして、無数についた彼の傷を埋めてくれればいいのに。

 そう思っていた。

 大洋はわたしを背中から抱きすくめたまま、過去のつらい出来事をぽつぽつと話してくれた。

「最初、叔父さんはとっても良くしてくれた。今思っても、悪人じゃなかった。ただ弱い人間だったことは確かだけど」

 感情を交えない淡々とした口調で話す大洋。

 でも、こうやって普通に話せる心境に至るまでの葛藤を思うとやりきれない。

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