みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 けれど、大洋の手の動きを感じるたび、緊張で自分の身体が強張っていった。

 
(あっ、やっぱりだめか……)

 
 その手が最後のひとつに及んだとき、ふと動きが止まった。

「……大洋?」
「大丈夫、美羽さん? 震えてるけど」
 大洋は身体を起こし、わたしの顔を覗きこんだ。

「ごめんね。大洋となら大丈夫だと思ったんだけど。わたし、ちょっとセックス恐怖症気味で」

 大洋はすこし眉を寄せ、遠慮がちに尋ねた。
「もしかして、レイプされたことがあるとか?」

「ううん。違うよ。ただ最初のとき、身体が引き裂かれるかと思うぐらい痛くて、それがトラウマになったみたい。それ以来、怖くて男性と付き合えなくなったの」
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