みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 そして包みこむようなハグをして、言った。

「早く言ってくれればよかったのに。ごめんな。おれ、焦りすぎて」

「そんなことない。わたしだって大洋と……すぐにでもひとつになりたい。本当だよ」

 必死で言いわけをするわたしをあやすように、ポンポンと背中を叩きながら、突然、大洋はわたしの名前を連呼した。

「みうみうみうみうみうみうみう……みうみ……うみ!」
「ほら、『うみ』になった! 名前までひとつに溶け合っちゃうって、おれらすごくない?」

 そう言って、身体を離すと、わたしの顔を真面目な顔で覗き込み、それから吹き出した。

 つられて、わたしも笑いがこみあげてきた。
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